脱タンパク質化天然ゴム廃液の再資源化処理

近年、天然ゴムに含まれるタンパク質の一種がラテックスアレルギーの抗原となることが明らかとなりました。これらのタンパク質を短時間に、かつ効率的に除去する方法として、尿素とドデシル硫酸ナトリウム (Sodium Dodecyle Sulfate:SDS) を用いた脱タンパク質化プロセスが開発され、タンパク質分解酵素に替わる手法として脚光を浴びています。

この脱タンパク質化プロセスからは、残存ゴムやSDSを含んだ高濃度有機性廃液 (Deproteinized natural rubber wastewater:DPNR廃液) が多量に排出されますが、有効な処理方法は確立されていません。その主な理由として、高濃度のSDSによる界面活性作用による従来の硫酸による残存ゴムの凝固がほぼ不可能であることが挙げられます。

そこで本研究室では、DPNR廃液からゴム・エネルギー (メタン) 資源を効率的に回収する水処理システムの開発を行っています。現在までに、カルシウム塩を用いたSDSの凝集・除去、残存ゴムの凝固・回収に成功しています。また、残存ゴム回収後の廃液を対象にUASB (Up-flow Anaerobic Sludge Blanket) 法を適用し、連続処理実験を行っています。UASB法は、エネルギー資源としてメタンを回収可能な水処理技術であり、食品加工系廃水に広く普及していますが、これまでにDPNR廃液に適用した例は報告されていないため、基礎的な知見の収集を行っています。

佐藤浩太

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