DHSリアクターを用いたVOCガス処理技術の開発

揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)は常温・常圧で気体となる物質の総称であり、塗料、接着剤、インキなど様々な用途に溶剤として使用されています。しかし、各種工場などから大気中へ排出されたVOCは、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因の一つであり、人の健康への影響が懸念されています。環境省は、VOCの排出を抑制するため、平成16年度に大気汚染防止改正法を策定しました。この改正法は、VOCの削減目標を2010年度までに2000年度比で3割程度としています。また、「VOC排出量50トン/年」に相当する大規模施設に対しては排出規制、それ以外の中小規模施設に対しては自主的取組を推進する「ベストミックス」を基本としています。
主なVOC処理法は燃焼法であり、大規模施設を中心に導入が進んでいます。燃焼法は、大風量の排ガスを高効率に処理することができる反面、補助燃料を要する、燃料の燃焼に伴うCO2の排出、維持管理の煩雑さ等の問題があります。また、コストがネックとなり、自主的取組を行う中小規模施設では導入が難しいという面もあります。
そこで、我々は燃焼法に比べてランニングコストや排出CO2量を低減でき、維持管理が容易な生物処理法に着目しました。本研究室では、スポンジ担体を用いた充填塔式生物処理装置を用いて、担体や運転方法の最適化、VOCの生分解に寄与する微生物群集の解析に取り組んでいます。

中村将一郎

カテゴリー: 研究紹介 パーマリンク